折立から急登の樹林帯を抜け、ぱっと空が開けた時の喜びをまず三角点で味わう。ここから雄大なパノラマを満喫しながら太郎平の分岐点に到着。
奥黒部の山々を右手に草原の中の木道を歩き、キャンプ場を抜け峠を過ぎると薬師平のお花畑が待ってます。コバイケイソウ・ハクサンイチゲ・チングルマ・タテヤマリンドウ・ウサギギク・アオノツガザクラ・タカネヤハズハハコ・ハクサンフウロウ・シナノキンバイ・キンポウゲ…などなど花に見とれてふっと遠くに目をやれば、な、なんと!槍ヶ岳がその穂先をとんがらせじっーとこちらを見ているではありませんか。
100%のパワーをもらい最後の急登もなんのその。眺望抜群、稜線の小屋(2.701m地点)、薬師岳山荘に到着。
おつかれさま~ 熱いお茶を一服どうぞ(^^)/
町から見ても、登ってみてもでかい山!百名山で、かの有名な深田久弥も詠った「百足のわらじを履いても登り切れないほどの大きい山」、南北に広がる長い尾根に、これ又でかいカールを3つも持つ(国指定 特別天然記念物・薬師岳の圏谷群)今風に言う、ちょっとメタボなお薬師さん。
一番知られているのは頂上と北薬師の間にある大きくてきれいな流線模様の金作谷カール。残雪時のカールは必見です。薬師岳の頂上(2.926m)には小さな祠があり、中には金ぴかの薬師如来が安置してあります。如来様の手には薬壺があり、優しいまなざしで登山者の健康と安全を願ってるかのようです。
意外と知られてないのが雷鳥の多さです。薬師岳の斜面はハイマツが多く茂り、小屋の周りはもちろん、頂上近くまでもよく見かけられます。小屋開け時期の六月中旬頃からオス同士の縄張り争いをあちこちで見る事があります。見張り役のオスを横目にメスの食欲大勢な事。きっとこれからの出産と子育てに備えるための栄養管理ですね。
最後に、何と言っても山の姿、形の美しさです。登る前でも登ってからでも良い。一度遠く離れた所から薬師を眺めて見てはいかがですか。女性的で、たおやかな台形をした薬師岳があなたを魅了する事間違いなし!
薬師岳は花の百名山に選定されていて、周辺の登山道では以下のような多くの高山植物が見られる。折立からの登頂ルート上にある太郎兵衛平は新・花の百名山に選定され、田中澄江の著書でミズバショウとムシトリスミレなどが紹介された。
キバナシャクナゲ
コイワカガミ
タカネスギカズラ
タカネヤハズハハコ
チングルマ
ハクサンイチゲ
ヒメイチケゲ
ミネズオウ
ミヤマキンバイ
ミヤマタネツケバナ
立山、剱、鹿島槍、五龍、白馬、野口五郎、赤牛、烏帽子、鷲羽、雲の平、水晶、槍、穂高、笠、乗鞍のほか遠く御岳、冨士山、浅間の景観は、壮大そものです。眼下には有峰湖や富山平野、日本海を望むことができ、またあるときは、まるで綿を敷きつめたのごとくきれいな雲海がどこまでも広がります。薬師岳頂上からの景色は山ならではの醍醐味をたっぷり満喫させてくれます。
薬師岳山荘からの夜景
一日のおわり
雲海の向うに山々
朝焼けの空
早朝の山々
雪が残る山肌